軽量級のオールラウンダーにして東海地区期待の若手である杉山廣平だが、4月に決まっていたパンクラスの試合(対戦相手:有川直毅)がコロナの影響で7月に順延となった。
一度練り上げた気持ちのリセットと練習環境の変化、そして順延スケジュール自体も予断を許さない状況の中で話を聞いた。
※現役選手は一部敬称を省略させていただきます。ご了承ください。
プロフィール
杉山 廣平(すぎやま こうへい)
愛知県知立市出身/通称「任侠」
10代の頃より地元の”ツーリングクラブ”に入会。活発に活動するなど少々激しすぎる青春時代を過ごし”内と外”を行き来する。初めは軽い気持ちで入ったジムでプロ格闘家を目指すアスリート志向に変貌。2016年プロデビューし2018年のパンクラス「ネオブラッドトーナメント」で準優勝。若くして仕上がりすぎている和彫から「任侠君」とも呼ばれている。2020年5月現在、パンクラスフライ級ランキング12位。
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インタビュー
4月にパンクラスで決まっていた試合がコロナの影響で7月に順延となりましたが、心境や練習状況はいかがですか?
はい。延期になるその日まで他人事だと思っていた事が、実際自分に影響が初めて出て、感染症の恐ろしさを実感したと同時に、試合が少し延期になってしまったことにその日は落ち込みましたね。
自分の所属するスプラッシュや出稽古先のジム、通ってるスポーツジム等が休業になったのも焦りました。
けどやれる事やるしかないので、これまでやらなかった外でのトレーニングをしてみたり、今までもやっていたロードワークの量を増やしたりしました。
スパーリングやジムワークが出来なくなり、これまでの運動量や練習量が減ってしまうのは1番嫌でしたので、かなりトレーニングやロードワークの量は増えましたね。
杉山選手といえば何と言っても綺麗に仕上がった和彫ですが、どのような経緯で和彫を入れたのですか?
んー、勢いでいれましたね!笑
出身は知立市なんですが、暴れていた時の事は思い出したくもないぐらいのアホでした。笑
本当にここで言える事少ないですよ。泣
ではそんな”青春時代”からなぜプロ格闘家の道に歩まれたのですか?
やっぱり闘う事が好きだったし、強い男に憧れはありました。当時は地下格闘技とか凄い憧れてましたね。
ジムに入ったきっかけは、逮捕されて試験観察(大人で言う仮釈放w)で出てこれて、健全な生活を送らなければいけないという事でジムに入会しました。
それが始まりですね。
▼ 杉山廣平ビフォーアフター ▼
見た目から完全な喧嘩ファイターかと思っていましたが、前回の試合を見ると綺麗なスイープや一本寸前まで追い込んだ極めなどクレバーなMMAファイターであることが分かりました。ほんとすみません…
よく言われるんですが僕は地下格出身ではないんですよ。笑
最初は先ほどのように地下格闘技に憧れていて、喧嘩の強い不良が最強だと思ってました。
けれどやっていくと、UFCを知ったり、国内だとパンクラス、修斗、DEEPという団体の存在を知り、そしてたくさんの選手を知り、もっと強い人がたくさんいるんだと言うことを知りました。
そこからは地下格闘技とかじゃなくて、スポーツとして格闘技をやり、アスリートになりたいと思い始めました。
僕のファイトスタイルはストライキングやグラップリングに偏らずどんな相手にも対応し、動きを止めない事を意識してます。
けれど喧嘩のファイトならいつでもできますよ。笑
現役や元現役問わず意識する選手や好きな選手はいますか?
MMAを1番スポーツとして体現しているのは、DJことデメトリアス・ジョンソンです。
普段はどのような練習をされていますか?
自分は出稽古メインです。
西三河の岡崎市にあるスプラッシュを軸にして、名古屋への出稽古はGSB(グラップリングシュートボクサーズ)さんや、stArtJapanさん、瀬戸市のISHITSUNA MMAさんでお世話になってますし、試合前には日沖発さんとパーソナルトレーニングしています。
出稽古先の皆さんはとても良い人ばかりなので、自分はライバル視するというよりも、名古屋の皆んなで協力しあうイメージで出稽古させてもらってます。
なので名古屋の人以外は敵ですね。笑
定期的に出稽古に行かれているタイの「タイガームエタイGYM」ではいかがですか?
タイガームエタイはとても良い所です。
タイガームエタイには年に3回ほど、試合前に行く感じにしてます。今年も4月に試合予定でしたので2月に行ってました。けれど今回はコロナの影響もあり、行けないですね。
一回行くと3週間ほど滞在します。
ムエタイ、ボクシング、キックボクシング、レスリング、グラップリング、柔術、MMA、フィジカル、全てにコーチがいてかなり充実したタブルになってます。毎日3〜4回クラス出るんですが、日々違う練習の組み立て方をして工夫しています。
世界中のファイター達と交流でき、スパーリングを重ねて仲間も増えます。今でもお互いインスタグラムを通してメッセージしたりモチベーションもらったりしてます。
最後に、今後の目標を聞かせてください。
そうですね笑、発さんから一本取りたいので、最低でもキングオブパンクラシストにはなっておかないとですね!
インタビュー後記
服の下の和彫と、普段の小柄でニコニコとしたキャラクターとにギャップがありすぎる杉山廣平。本人も言う通り「勢いで入れた」刺青や、心機一転アスリートを目指し海外修行に行くなどの現在を見ても、思い切りが良い性格なのだろう。
引き続き思い切りの良いファイトスタイルで、タイトルマッチ圏内への快進撃(からのパンクラスチャンピオン → 日沖発から一本極める!)を期待したい。
しかし、朝倉兄弟といい杉山廣平といい、愛知県三河地方は不良格闘家を高確率で排出する”訳ありエリア”なのだろうか!?
その事については、機会があれば掘り下げてみたい。
杉山選手のご協力に深く感謝します。